[排水方式]
合流式とは、し尿と雑排水を同一の排水系統で結び、排水をそのまま下水道に流す方法です。分流式とは、し尿と雑排水を別系統で結び、し尿を浄化槽で浄化してから雑排水と供に流す方法です。公共下水道の普及具合により、地域によって排水方式が異なります。(下図はその一例を挙げています。)
排水管
排水ます
トラップ
浄化槽
困った!こんなときには
●排水管
敷地内の排水は、し尿などの汚水、台所や浴室、洗面所などから出る雑排水、雨水の3つに大別されます。排水管はそれらを流す管です。
台所の詰まりの最大の原因は油です。使った油は新聞紙に浸み込ませるなどして、なるべく流さないようにしましょう。台所では定期的にパイプ用洗剤で掃除すると、脂肪分を落とすのに効果があります。(洗剤を使う間隔は洗剤の使用上の注意をよく読んで守ってください。)
浴室や台所では、ピンなどの小物を流してしまいがちです。これに毛髪や糸くずが絡んで詰まりの原因になります。日頃から気をつけるのはもちろん、排水口カバーなどを置くとよいでしょう。
排水管の詰まりには、吸引カップやトイレクリーナーを使います。これをつかっても直らない詰まりは専門業者に依頼しましょう。
2〜3年に1度は業者に依頼して高圧洗浄をしておくと安心です。
●排水ます
住まいの排水が集まるところで、いったんここにためてから下水管に流れます。
塀の設置や庭土の盛土、植木などで損傷が起きることがあります。木の根や土が排水ますの中に入り込んでないか点検してください。
排水ますも汚水・雑排水・雨水用の3つがあります。なかでも雑排水ますは、もっとも汚れやすい所です。半年に1回程度の掃除を心掛けましょう。ふたを開けゴミなどの異物を取り除き、台所や浴室などから水を流して汚泥の掃除をしてください。
●トラップ
排水管内に水をため、下水からの悪臭や虫の侵入を防ぐ所です。S型やP型の管トラップ、椀型トラップ、器具内臓トラップなどがあります。いずれの場所でも1番大切なことは、詰まりの原因となるような物を流さないようにすることです。
台所・浴室の排水口の椀型トラップは外せるようになっています。目皿を外し、椀を取り出してトラップの掃除をしてください。目皿に詰まっているゴミも取り除き、きれいにしましょう。
洗面所は管トラップです。ゴミ受けのゴミをこまめに取り除いて、トラップ部分にゴミが流れないようにしましょう。
排水パイプに熱湯を直接流すと、変形や水漏れの原因となります。熱湯は流さないでください。
●浄化槽
浄化槽は微生物の自然浄化力を生かして、汚水を分解浄化する装置です。適切な維持管理が守られないと、環境の悪化をまねきます。浄化槽の取り扱い説明書の指示に従ってください。
電源を絶対に切らないようにしてください。電源を切ってしまうと空気が送り込まれなくなって、浄化槽内の微生物が微生物が死滅し、浄化機能が停止してしまいます。浴室や便器の掃除に塩酸などの劇薬や強力な洗剤を使うと、浄化槽内の微生物が死滅してしまいます。説明書をよく読んで、必ず浄化槽用の洗剤をお使いください。台所からでる調理くず、残飯、油などは流さないようにしましょう。
浄化槽上部のマンホールのふたは、ズレたり外れたりすると大変危険です。きちんとロックをしておいてください。
浄化槽の使用者は専門家による定期的な保守点検を法律で義務付けられています。都道府県に登録された保守点検業者と浄化槽の維持管理契約を行ってください。
年に1〜2回の汚泥引き抜きなどの清掃作業が必要です。これは市町村の許可を受けた清掃業者に依頼してください。(どちらも有料です)
・水が流れない
排水管が詰まったか、台所などでゴミ受けカゴの目詰まりなどが考えられます。まずコミ受けカゴの掃除をしてください。それでも流れなければ、以下の手順で排水管の詰まりを取り除いてください。
[台所や洗面所の排水管の詰まり]
バケツを用意してU字管の下に置きます。
U字管、Sパイプ、直管の順で外します。パイプを分解したら、パイプの中に勢いよく水を流したりブラシでこすったりして掃除します。
[トイレの詰まり]
吸引カップを便器の排水口にピッタリ当て、上下に何回か動かします。
それでも詰まりが直らないときは、ワイヤータイプのトイレクリーナーを使います。
詰まりが取れたようなら、いきなり水を流さずにバケツで少しずつ流して流れるかどうか確かめます。
自信がないときや、手に負えないと思った場合は、専門業者に修理を依頼してください。